自己破産:かかる費用はどれくらい?
個人の自己破産にかかる費用をまとめてみました。お金がないので破産するのに、破産しようとするとこれだけの費用がかかるのが現実です。
なお法人や個人事業主では費用が異なるので別途確認してください。
自己破産の費用と期間の目安
※ 注 記 1:
地方裁判所によって若干の変動あり、また弁護士などの費用は変動幅が大きく、以下は概算費用となります。
※ 注 記 2:
司法書士と弁護士の費用はどちらか一方が必要、両方ではありません。
同時廃止 | 少額管財* | 管財事件 | |
---|---|---|---|
破産申立て費用 (印紙・切手代) |
5千円前後 |
||
官報公告予納金* |
10,584円 |
16,550円 |
13,834円 |
引継予納金* |
約1万円 |
20万円 |
50万円 |
司法書士費用 |
20万円~30万円 |
||
弁護士費用 |
着手金20万円、成功報酬20万円程度で合計40万円前後 |
||
終了までの期間 |
3~4ヶ月 |
約6ヶ月 |
少なくとも1年 |
※少額管財:運用は一部の地方裁判所のみ。
※官報公告予納金:官報に公告を出すための費用で、普通破産申立時に納付します。
※引継予納金:破産管財人への報酬など。破産手続き開始後一括払いが基本です。
費用はどこから?
裁判費用や弁護士費用は破産申立て前の所有財産から別枠で控除できるわけではなく、破産手続きの結果破産者に許された範囲の財産*や他の方法で捻出したお金を充てることになります。
※許された範囲の財産:同時廃止では20万円以下という例の基準、管財事件では自由財産99万円以下という基準が該当します。「自己破産:同時廃止はこんなに有利」も参照してください。
他の方法とは身内や親戚・知人、支援者を探し何とか工面するのが第一候補です。
調整つかなければ、法テラス(正式名称は日本司法支援センター)の弁護士費用立て替え制度を利用する方法もあります。利用には法テラスの紹介する弁護士や司法書士への委託(専門家を自分で選べない)や破産者本人の収入基準(基準以上の収入があると利用できない)などが条件となります。
そして状況次第では有力な手段、専門家を頼まず自分でやる、という方法がありますね。法定費用はどうにもなりませんが弁護士や司法書士への費用は浮かせます。以下にその条件を整理してみました。
専門家に頼らない自己破産手続き
自己破産を巡る状況が次のようであれば本人手続きもチャレンジしてみる価値があります。上表のように同時廃止なら2~3万円の費用でできます(本人の費やした労務費を考慮しなければ、ですが)。
■ 自由時間がたっぷりある(通勤時間なども含め)
■ 借金返済の督促もそれほどひどくない(それに耐えながら作業ができる)
■ 法律の勉強や資料作成は苦にならない
■ さしたる財産もなく同時廃止で行けそうだ(ローン付き自宅があると面倒に)
■ サラ金への借金額が少ない → 多ければ、弁護士・司法書士に依頼することで過払い金返還交渉が有利に展開、借金がゼロになるどころかが戻ってくる場合も。
■ ヤミ金からの借金がない → ヤミ金は債権者になれるのかなど微妙な点があり、専門家のアドバイスは貴重
■ もめそうな債権者がいない
■ あなたの意欲を家族が理解してくれる
ただ注意を要するのは、しろうと判断で同時廃止と思っていたのが管財事件となってしまった場合、引継ぎ予納金50万円が必要となる点です。少額管財可能な地域の居住者なら20万円まで減額可能としても、それは弁護士委託が条件となっています。
本人手続きについても決断する前にまず本サイトなどで情報を仕入れ、それから自分で手続きしたいと専門家に率直に伝えて助言を仰ぐのがいいと思います。