自己破産するにも条件があります
自己破産により借金が免責を受けるにはまず、自己破産申立人が「支払い不能状態」にあることが必要です。
支払い不能の判断は、債務者の財産・職業・給料・信用・労力・技能・年齢・性別などを総合的に加味してなされます。ただ単に緊急の出費が重なって50万円の借金が返せない状態は「支払い不能状態」とは認定されません。
一般的な判断基準は次のようなものです。
■ 借金返済に当てるための財産がない
■ 借金返済に当てる金銭を調達することが難しい状態にある
■ 期限の来た借金を返せないでいる
■ 継続的かつ客観的に見て、弁済能力がないと判断できる状態にある
この最後の基準に対して弁護士会の処理方針では、債務者の支払い能力から判断して3年ぐらいで分割弁済できないような債務総額を目安としているようです。具体例で見てみましょう。
支払い状態を判断するための試算例
債務者の年収を500万円、賞与を入れて平均化した手取り月収(可処分所得)を37万円、住居費を7万円と仮定します。住居費を除いた30万円の1/3である10万円が月々の返済可能額と考えます。
すると、10万円×36ヶ月の360万円が「支払い不能状態」か否かの目安となります。それを超える借金があれば自己破産、以下なら任意整理が適当という考え方です。
実際には裁判所がケースバイケースで判断します。借金が200万円でも、病気治療中を理由に自己破産が認められた例もあるそうです。